22 June, 2009

FRUE @Liquid Loft (Dday One Live)

昨日はLiquid Loftの"FRUE"というEventへ行ってきた。

出演は以下の通り。
LIVE:Dday One / DJ KEN-ONE
DJ's:coffee&Cigarettes band (DJ KENSEI & SAGARAXX) / INNER SCIENCE / DJ shibaki / Booker Tai



目的は勿論Dday Oneだった。
彼のSetはTechnics SL1200 Mk5-G×1台(+Schrach LiveをVAIOっぽいWin PCで操作)とVestaxの2ch mix、RolandのSampler MV8000+KORG Kaoss Padだけのシンプルなもの。
あくまでSamplistとしての彼の音の中心はSamplerを起点に組まれたものだった。
当日は演奏を始めるまでかなり直前で手間取っていたようで、30分近く押してのスタート。
"Heavy Migration"のTr.10: Closing Inからスタートして全長90分(だったと思う)のPlay。
録りおろしと思われる曲が1/4とAlbum"Heavy Migration"からの曲が3/4が全体の構成だった。

印象としては正直まだLive Perfomerとしての経験と技術は青い印象。
楽曲の独自性、芸術性の高さ、SamplerをLiveで演奏する彼のPlayの猛々しさのどれも今までのHipHop Artistから考えて独特のものであるし、やはりこのHipHop不景気の最中に彼のようなストイックなPlayerがいることはそれだけで本当に有り難い話しだ。
また彼の楽曲は元々低音がそこまで出ていなく、あのざらついたSampling Souceの独特のAnalog感のハーモニーに魅力があるので、Liveでは彼のTrack Makeの秘密が垣間見えた気がする。
だが楽曲の繋ぎや、Live全体の曲構成等に少し準備不足か経験不足か、完成度の低さが見えてしまったのが残念。
何よりScrach LiveとSamplerのMIDI Tempoが合ってないせいか、全体的なStageの完成度が落ちて聞こえたのは否めない。
(もしかして直前のドタバタはそういった機材系トラブルなのか?)

彼もまだ2枚のOriginal AlbumをReleaseしたばかりで、活動もこれから。
噂によればAlbum Release一つにしてもRelease元のレーベルをどこにするか等、種々ストイックなあまり優柔不断な側面が見られるという話だが、そのストイックさが発表の機会と才能を涸れさせることがないように願うばかり。
これからもできれば頻繁に来日してほしいし、Mix EPなどをReleaseしてくれるならもっと頻繁にDropしてほしい。
(かのScott Herenも長いキャリアの中で磨かれた経験と意識の高さが常に両立しているから今があるのだろうし。)
現代において非常に貴重で我々にとっては心から歓迎したいArtistなので、是非このまま突っ走ってほしいなと思った一夜だった。




さて昨夜の副産物というか、嬉しい誤算が一つ。
それは"FRUE"というEventそのものである。想像以上に「楽しい」Eventだった。

最近Asiaにも行かず、Liquidに行ってもUNITに行っても楽しいHipHop Nightに巡り会えない21世紀にあって、あのEventはここ数年で行ったEventの中で最も楽しく、最も居心地のいいEventだった。
これは心の底から本心である。
20代〜30代の集客バランスも、何よりFloor DJのセンスからGuest ArtistであるKen-OneとDday Oneのレベルの高さも、ここしばらく私が足を運んだEventの中でも最高級である。
且つこのEventは素人臭くなく、かといって洗練され過ぎてもいなく、流れる音も変に流行に左右されていないが、一方一人よがりにもなっていない。
"音を伝える"意味で、90年代に存在したHipHop Eventの良い香りを受け継いでいる。

ここで誤解のないようにしたいが、何も90年代のHiphopが聴きたいわけではない。
「あの頃」を懐かしんでいるわけではないが、逆に「あの頃」と呼ぶ時代にあった「発見」「驚き」「喜び」が最近のレコード屋やClubにはないと感じる。
これは何も自分が年齢を重ねただけではなく、今の時代に合った音楽と、それを集める場所が足りていないのだ。

それを踏まえた上で、昨夜の"FRUE"には時代、ジャンルを超えて2009年の今聴くBreakbeatsが足下に確かに流れていたと感じた。

きっとオーガナイザーの愛情と、客層によるものが大きいと思うが、こういったEventが再度台頭する時代は来るのだろうか。
そういう意味でもここで宣伝したい。
このEventの開催頻度は全くもって知らないが、是非このEventをチェックし、Followしてほしい。
そしてもしこのBlogを定期的に見て下さっている方が音楽を愛する人であれば、一度足を運んで欲しい。
こういうEventは大切にしたいし、自分の居場所と合わせて楽しめる場所として残して行きたいと思った。


=FRUE=
>Official Page
http://frue.jp/
>my space
http://www.myspace.com/fruejp
>Twitter
http://twitter.com/FRUE_JP


さて最後にDday Oneの前にLive PlayをしたDJ Ken-Oneだが、これも嬉しい誤算の一つだった。

TurnTable×1台(Win PC+Scrach Live操作用)、Raneの2ch DJ Mixer、Kaoss Pad、あと恐らく足下にChaos Padの操作用にFoot Switchと、Dday One以上にSimpleで分かり易い機材Set。
彼のテクニックもSampling SouceをひたすらKaoss Padに突っ込み、そのLoopで楽曲を創っていくもの。
Kaoss Padのお手本のようなStagingだが、そこで創られる音のセンスとEffectの使いどころの上手さは尋常ではない。
機材がどんなにSimpleでも、工夫とセンスで素晴らしい演奏と音楽は造り上げられるという事実の典型を目の当たりにした瞬間だった。

音楽性も使う技術も全く異なるが、彼のLiveのクリエイティビティはDJ Krushのそれすら彷彿とさせる。
Scrachのテクニックの上手い人は山ほどいるし、単に機材の知識や使い方に詳しい人、機材を沢山持っている人、レコードの枚数は人並み以上の人も山ほどいる。
しかし彼は膨大な選択肢の中から、彼自身の選んだ非常にSimpleな表現技法の中で、ストイックな音の選択をした結果あの音楽を創っているのだろう。

いずれにしてもStage全体を通して楽曲の構成から、彼のScratchのテクニックは一級品。
そして何はなくともスピーカーから溢れ出す彼の音楽がかっこ良過ぎる。
「恥ずかしながら今まで知らなくてすみません、音源買います」と心の中でつぶやいてしまった(笑)。

また彼のLiveがあるEventには足を運びたいと思った。


=DJ Ken-One=
>myspace
http://www.myspace.com/djken1

1 comment:

Unknown said...

こんにちわ。はじめまして。
今回、FRUEを企画/制作したうちのひとり山口彰悟と申します。
FRUEは2人でやっています。

今回が、初FRUEでして、楽しんでいただけたようで、とてもうれしく思います。
もともと2人ともOrganic GrooveやTrue People's CELEBRATIONというパーティや野外フェスにコアスタッフとして関わっていて、今回、初主催とあいなったわけです。

一応、自分たちが聴いて踊れるアーティストを呼ぼうというのが、第一でアーティストは選びました(篩う)。
それぞれ、個性があってぼくも楽しめました。

今後もビートものに縛られず、おもしろいアーティストをみつけてきて、いいパーティになればと思います。

今後ともよろしくです。